合格率が20%を切っているような試験であるにもかかわらず、なぜか「簡単」と言われることの多い宅建士試験。
最近のデータを見てもどう考えても簡単な要素のない試験ですし、私自身もそうは思いません。

なぜそのように言われることがあるのか、理由を探ってみました。
今回はその中でも特に強い理由となっているものを5つ絞って解説していきます!

 

 

5つの理由

宅建士試験が「簡単」と言われる主な理由は次の5つです!

1 昔の試験との比較
2 他の試験との比較
3 4択という形式
4 テキストの印象
5 噂による思い込み

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

理由1 昔の試験との比較

宅建士試験は結構歴史のある試験で、第1回は昭和33年に行われています。
当時は宅地建物取引員という名称で、試験問題も30問と、現在の試験とはだいぶ違っていました。
法令集の持ち込みも可能だったため、合格率は今では考えられない60%超え!
しかも最初の2年は90%超えと、ほとんどの受験生が合格する試験だったのです。

その後徐々に難化傾向が進み、昭和56年からは今と同じ50問の形式になりました。
このあたりから合格率は15%くらいに落ち着いています。

そして、平成27年からは「宅建士」と名称が変更されたことで、士業の仲間入りをしました。
そのことで、合格率には表れないものの、合格点が非常に高くなっていて、1段階難しくなったと言われています。

このように、歴史のある試験であるがゆえに、昔の情報で比較する人が一定数います。
昭和時代に宅建を取ったとか、宅建の勉強をしたことがあるというような人はそうかもしれません。
昔の情報で考えると、宅建は「簡単」だと感じるのです。

はっきり言えるのは、昭和時代の宅建と平成以降の宅建とではレベルが結構な差があるということです。
そして、宅建士になった平成27年以降はより一層難しくなっています。
過去の試験と比較すること自体が実はナンセンスだったりします。

ちなみに、今後も難化傾向は続くものと思われますので、宅建士を取得したいのであれば早い段階でに受験しておいた方がいいかもしれません。

 

理由2 他の試験との比較

宅建士試験から派生する国家試験は結構な数があります。
法律関連の資格を始め、不動産関連の資格も多いです。

そうすると、他の資格試験を受験している(受験したことのある)一定の人から、宅建士は自分の受けている試験より簡単だ、などと言われることがあります。

確かに、宅建士試験よりも取得が難しい試験があります。
突き詰めると法律関連であれば司法試験、不動産関連であれば不動産鑑定士や土地家屋調査士といった難関試験があります。

ただ、そもそも試験科目も業務も違う試験を比較すること自体、意味がありません。
合格率だけを比較して、○○試験より簡単、とは言えないのです。

 

理由3 4択という形式

これも他の資格試験と比べることで起こりがちな理由です。

宅建士試験はマークシート式で4択問題が50問(5問免除ならば45問)出題されます。
記述式のように、実際に語句や文を書かなければいけない形式と違って、多少迷ったりわからなかったりしても運が良ければ当たる形式になります。

学生時代に、国語の記述だと点数がとりにくく、理科社会の4択の方が点数取りやすい、といった経験をしたことがあると思います。
それと同じで、4択問題の宅建士試験は簡単に思えるのです。

でもよく考えてください。
そんなに簡単ならば受験生の多くが8割とか9割くらいの点数をとってくると思いませんか?
実際には7割くらいの点数で合格ですし、その点数をとっている受験生は5人に1人もいません。

試験問題は勉強しなかった人が正答できないような「仕掛け」があらゆるところに散りばめられています。
そして、中途半端な知識だと間違えてしまうような、絶妙な選択肢のオンパレードです。

4択だから安心、とはいえない試験になっています。

 

理由4 テキストの印象

宅建士試験のテキストは他の資格試験と比べて、あるいは学生の頃の教科書と比べてもカラフルでポップな、読みやすいものが多いです。

実際に試験を受けるつもりがなくても、書店でパラパラっとテキストを立ち読みするくらいはするかもしれません。
そのときにカラフルなテキストを見たら、「簡単そう」と感じてしまいます。

実際には民法などの細かい知識が要求されるにもかかわらず、うわべだけ見るとなんとなく簡単そうに見えます。
その印象が、宅建は簡単そうだ、という間違った認識になってしまう可能性があるのです。

 

理由5 噂による思い込み

「宅建は簡単」と誰かが言うと、その情報だけが一人歩きするものです。
特に、宅建士試験のような受験者数の多い人気の試験であれば、そういった噂も広がりやすくなります。

「○○が言ってたけど、宅建って簡単なんでしょ?」
みたいな会話は割とよく聞かれます。
実際に本屋でそういう話をしている人を何度も見たことがあります。

中身を知らないからこそ、簡単という情報だけ残ってしまいます。
これを鵜呑みにして勉強を始めたら、初期の段階でつまづくのは目に見えていますが・・・

同じような噂はFPや簿記でもあったりします。

 

あとがき

今回は宅建士試験が「簡単」と言われる5つの理由を解説しました。

試験をしっかり知らないために「簡単」と思われがちな部分はあります。
サッカーやゲームの世界でも同じですよね。
見ている分には自分でもできそう、などと感じるものです。

実際のところ、宅建士試験はそれほど甘い試験ではありません。
しっかりと対策をして学習を続けた受験生だけが合格できる試験ですので、周りの誤った情報に惑わされることなく、試験当日までがんばっていきましょう!

 

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