「権利関係は半分くらい点数が取れればいい・・・」

今回は、そのように言われるほど難しい科目、「権利関係」についての記事です。
なぜ難しいのか、点数を伸ばすためにはどういうことを意識するべきなのか、このあたりを中心に解説していきます。

 

 

なぜ権利関係は難しいのか

まずは「権利関係」という科目について簡単に解説します。

権利関係は、「民法」が出題の中心で、「借地借家法」「区分所有法」「不動産登記法」からも出題されます。
民法以外の法律も、結局のところ民法の知識が前提となっています。
すなわち、権利関係は「民法」に関する知識を問う科目なのです。

少しでも法律を学んだことがある人ならわかるかもしれませんが、法律の学習はかなり特殊です。
単純に知識を覚えただけではダメで、それを使える状態にすることが求められます。

(例題)13歳のAくんは、両親に内緒でマンションの一室を借りる契約をした。父親Bはそれを取り消せるか。

このような問題が出されたとします。
テキストにはこの問題通りの文章はまず書かれていません。
テキストに書いてある知識を使って、自ら考える必要があります。

・18歳未満の者を未成年者という
・家を借りる契約(賃貸借契約)は法律行為
・原則、未成年者が法律行為をするには親の同意が必要
・同意がない場合には親は取り消すことができる

これらのことはおそらくテキストに書かれているはずです。
この知識を先程の例題にあてはめながら考えて、答えを出さなければなりません。
ちなみに、答えは「正」です。

 

権利関係の「間違った学習法」

権利関係の学習をする上で一番やってはいけないのが、知識をそのまま暗記することです。
暗記自体は悪いことではありませんし、覚えられるのであればそれに越したことはありません。
が、問題はそこで学習を終えてしまうことです。

知識を暗記することだけに力をそそぐと、それ以上その部分を考えることをしなくなります。
なぜそのような規定があるのかを考える、つまり理解することが法律の学習の上ではかなり重要になってきます。

上の例題でいうと、「18歳未満の者を未成年者という。正か誤か。」というようなストレートな聞かれ方を、本試験ではまずされないということです。
「13歳のAくん」とあるから、「18歳未満だからAくんは未成年者になるんだな」と考えることが必要になります。
これは簡単かもしれませんが、民法にはしっかりと理解していないとあてはめが難しい部分もあります。

知識を覚えたとしても、それを使える状態にしなくては意味がありません。
理解してはじめて、使える状態になるのです。

 

権利関係の学習で「意識すること」

権利関係の学習が難しいこと、理解しなければ問題が解けないことがわかったかと思います。
ただ、権利関係で点数が取れないのは当たり前、のようには考えて欲しくないのです。

他の受験生が苦手としている権利関係だからこそ、この科目で点数を稼ぐことが合格への最短ルートになります。
そして、権利関係で点数を伸ばすこと自体はそれほど難しくありません。
ただ、そのためには「意識」が必要になってきます。

市販テキストを使って学習している受験生は多いと思います。
この市販テキスト、よくできているのですが、権利関係の部分だけでいうと情報が圧倒的に足りていません
売れている市販テキスト、ビッチリ書いてあるように見える市販テキスト、どれもそうです。
ほとんど全ての市販テキストを見てきましたが、権利関係の部分がしっかり書かれているテキストはありませんでした。

というのもそのはず。
宅建業法などの他の科目の情報も載せないといけないので、どうしてもページ的に制約があるからです。

そこで、「市販テキストの情報は本当に最小限の知識しか載っていない」ということを意識するようにしてください。
学習する中で少しでも疑問に思ったところがあれば、自分で調べてテキストにメモするようにしましょう。
過去問でテキストに書かれていないものについても同様にメモするといいかもしれません。

テキストの情報だけで満足しないで、それを理解するための学習に手間を惜しまないようにして欲しいのです。
近年の宅建士試験は難しくなっているので、テキストにある最小限の知識だけで点数が取れるほど簡単ではなくなっています。
時間があればにはなりますが、どんどん知識を付け加えるようにしましょう。

 

他の試験の参考書を使うのもアリ

「そうはいっても、自分で率先して知識を集めるのは難しいし、面倒・・・」

そう感じる受験生もいるかもしれません。
その場合は、他の試験の参考書を使うのもアリです。

メインのテキストの代わりに読むのではなく、あくまでも参考書的なポジションで理解を深めるために読むようにします。
気になった情報をメインのテキストにメモをすることで、知識をより深めることができます。

あまりガチガチな参考書だと、読むのに時間もかかりますし、難しすぎて挫折してしまうかもしれません。
おすすめとしては行政書士の参考書、各種国家試験に対応した参考書です。

民法を試験科目にしている国家試験は割と多いので、それなりに民法の書籍が出ています。
そういうものの中から自分に合ったものを選ぶといいかもしれません。

比較的わかりやすく書かれている参考書を1冊だけ紹介します。

「よくわかる民法」という本で、国家試験受験生にむけて書かれている民法のテキストです。
個人的には入門書とテキストの中間くらいのポジションの書籍という感覚です。
民法全体をわかりやすくまとめてくれているので、法律の学習をしたことがないという受験生にはおすすめの一冊だと思います。

 

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